講演会  子を他人に預ける鳥、カッコウ類研究最前線

□日時 2016年9月24日土曜日 13時30分〜16時
□場所 東京大学農学部 弥生講堂
□主催 公財山階鳥類研究所 共催朝日新聞社 後援我孫子市

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写っている鳥はジュウイチ

托卵研究はどこまで進んだか・ 欧米の研究、日本の研究
立教大学名誉教授 上田恵介先生

セッカ  草原の低い草に営巣する。ヒヒで上がりチャチャで降りる。セッカは連続的一夫多妻。妻をめとらば2羽以上、マックス1夫11妻、1羽のメスも得られないオスが30羽。

カッコウ 托卵習性。10〜15秒で卵をくわえて外に捨て、卵を産む。雛は背中にくぼみがあるので、仮親の雛を外に落とすことができる。カッコウは1シーズンに20個の卵を産む。3日に1回くらいの割合。

托卵についてはアリストテレスも知っていた。
聖書モーゼの言葉
禿鷲などと同じ、嫌悪すべき生きもの

カッコウの研究はヨーロッパではさかんである。

托卵する鳥は鳥類のうち1%
カッコウ科136種のうち54種 カラバード ミツオシエ(雛の時口が大きく他の卵を砕く力がある)テンニンチョウ カッコウハタドリ スグロガモ 

カッコウの卵の擬態が進化 ホオジロ 、オオヨシキリ にはセン状モンあり

ホトトギスはウグイスに托卵

カッコウ 本州ではオオヨシキリ モズ アオジ オナガに托卵
            北海道ではノビタキ ノゴマに托卵

仮親を騙す分身の術 ジュウイチの雛の妙技
慶應義塾大学文学部 田中啓汰先生
自然界はウソであふれている
シジミチョウ→アリの好む臭いを出す→巣に持ち帰り育てる→アリの卵のように見えるけどシジミチョウのサナギ

富士山の中腹で調査
ジュウイチも托卵鳥でオオルリやルリビタキの巣に卵を産む。ジュウイチの雛は仮親に雛の数を錯覚させる。ジュウイチの口の中は鮮やかな色をしている。仮親の運ぶエサの量を増やしてもらうため巣内に1羽しかいないのに3羽いるように見せかけている。羽の裏側には羽毛すら生えず皮膚があらわになっている。口の色と同じ色をしている。つまり巣の中に3羽いるように見せかけている。
人間は3色 鳥は4色 紫外線も見ている。本「視覚認知生態学」

南太平洋の托卵をめぐる攻防 日本の鳥にはないセンニョムシクイの対抗策
バードリサーチ 佐藤望先生
オーストラリア ニュージーランド ニューカレドニア バヌアツで調査
托卵鳥テリカッコウと宿主センニョムシクイの進化
センニョムシクイはテリカッコウの卵も一緒に温める。ところが雛のテリカッコウをつまみ出して巣の外に出してしまう。他のカッコウと別の進化をしている。

共進化 托卵 産卵時間の短縮 卵を擬態

科学はチームワークであると言う言葉であったが、それプラス人柄もあると思わせてくれた。楽しく勉強にもなり、面白い世界があると感じさせてくれる講演会だった。

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弥生講堂はベニカラマツの集成材でできている。100年は持つそうだ。

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