タヌキ

さいたま市にあるさいたま緑のトラスト協会保全第1号地での奥で、タヌキのため糞をみたのは、7〜8年前になる。買い物途中で会ったとかお寺の裏にタヌキのタメ糞があったとか近隣の方が教えてくれる情報もあったが、保全作業時に、タヌキの気配を感じたことはなかった。

タヌキはほ乳類のネコ目イヌ科タヌキ属に分類される生きもので、体重は4〜6㎏、体長は50〜70㎝、尾の長さは13〜25㎝で、夜行性で単独または、つがいか数頭の家族単位で生活している。食性は雑食でネズミ、カエル、ヘビ、トカゲ、鳥類や卵、昆虫類やその幼虫、ミミズ等の小動物のほか、果実などの植物質の物となんでもよく食べる。木登りも上手である。平均的な行動範囲は3.4k㎡。食料の事情により0.25〜20k㎡とかなり幅がある。縄張りはないとのことである。繁殖期は1〜4月で、妊娠期間は59〜64日ほどで普通5〜7子どもを出産する。30〜40日ほどの授乳期間があり、子どもは4〜5ヶ月で独立し、9〜11ヶ月で性成熟する。一夫一婦と言われているが、一夫多妻であることも報告されている。タヌキの毛は上質であるが、タヌキの肉は獣臭く、タヌキ汁と言われているのはアナグマ(イタチ科)の肉である。
物語にも出てくるタヌキは、日本人にとってなじみ深いいきものである。臆病で驚いて気を失ったりすることがあり、その後、目をさまし逃げ出すことがよくある。
「とらぬ狸の皮算用」「狸寝入り」「狸が人に化かされる」「狐と狸の化かし合い」「同じ穴の狸」とことわざもたくさんある。日本人には身近な生きものであるが、極東に生息し、世界的に見れば珍しい生きものである。
保全活動場所にタヌキがいたのである。センサーカメラがそれを教えてくれた。湿地で、昼間にタヌキを確認した。私たちの団体はニホンアカガエル保護のために立ち上がった団体である。タヌキのエサのカエルはたくさんいるので、いても不思議ではない。タヌキ生息の証拠写真をみて、うれしくなったことは確かである。カエルを保護しているのにと不思議に思う方もあるかも知れないが、自然はつながっていて、その種類だけ繁栄しても、生物多様性の保たれている空間ということは出来ないのである。別の団体で、天敵のいない場所でニホンアカガエルを保護しているところがあり2010年には5個、2016年には145個の卵が確認されたそうである。私たちの湿地では今年は26卵塊である。増えすぎていないということも一つの指標になると思う。
こんな豊かな自然を次世代に手渡したいと日々汗を流している私たちへのご褒美は、カメラに写ったタヌキやネズミである。

1タヌキだといいのだが専門家に同定してもらっていない
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2
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3マルコ(湿地)
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5湿地でネズミ 何ネズミかな
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