狩蜂→クモの不思議
佐井隆利さんからすごい写真が送られてきました。トラスト畑で撮影したそうです。ドロバチの仲間だと思うのですが、クモのオンパレート。写真はクリックすると拡大します。
日本蜘蛛学会の新井浩司さんからの回答
流石幼虫の餌にするだけあって、クモも鮮度が保たれてる感じですね。クモ専門の小型の狩り蜂だと、ヒメ(ベッコウ)クモバチの仲間とか、そういうのが思い浮かびますが、ヒメクモバチ類は、狩った時に、クモの脚を切り落としちゃうので、違う仲間なのでしょうね。ちょっと専門の方じゃないと、ハチの方は詳しくは分からないですが、でもとても興味深いです。狩るクモの種類にも傾向が有って、サイズ・ボリューム観で選んでる感じですね。このハチ的には、『ドヨウオニグモ』♀成体ぐらいのサイズが丁度良いと見ているんだな?というのを感じます。だから『サツマノミダマシ』は幼体を選んでますよね。他には、『ナガコガ』幼、『ハナグモ』♀、『カニグモ属』、というような具合に、科とかに関係無く、手頃なボリューム観で選択してるのが、分かります。あと、頂いた画像では、ハチの巣を壊した所に、もう早速小さなアリ達が持って行こうとしてますよね?ハチにとって、こういうアリ達が敵で、だから巣で固めたり、土中に埋めたりして隠すんでしょうね。一応参考で、コチラは、大型のクモバチなので、クモも大型種を狩ったり、土中に穴を掘る点などは違いますが、クモの狩り方や、麻酔して幼虫の餌にする点は共通なので、イメージはし易いかも知れません。(↓)
新井さんから追加のメール。「2024:06:27 09:37:31」の、一番右上の『ドヨウオニグモ』♀の腹部側面に、蜂の卵が一つ付いてますね。「2024:06:29 08:15:17」の、左の真ん中辺りの『ナガコガ』幼体の腹部左側面には、孵った幼虫らしき物が付いていますよね?クモ1体毎に1つ産卵という形でなく、蜂幼虫1体が複数クモを食すんでしょうかね? まあでも面白いですね。蜂専門のかたがいらっしゃれば、更に話が深まるかと思いました。
ナチュラリストの斎藤創さんから
これだけクモを狩って部屋に封じ込めるのは、おそらく、キゴシジガバチか、同属の外来種であるアメリカジガバチだと思います。両種ともさいたま市や川口市で見ることができます。壊す前の巣の全体像の写真があると、より確実な同定が可能です。